発作的ちょこっと長編日記(駄文とも言う)
昼下がりの夢心地

注意)寛香は大学に向かうためにモノレールの南行きに乗りこみました。よって、下車する立川南駅では先頭向かって左側の扉から降りるんですよ。一年かけて身に着けた習性によって何処に立ってようと座ってようと、無意識のうちに私は決められて扉(具体的には2両目の1AB扉)へと進むんですね。

・・・・・・眠い・・・・・・
・・・こんなに眠いモノレールは久方ぶりだ・・・・・・

夏の晴れた日の昼下がり、私は他には誰も乗客のいないモノレールで睡魔と闘っていた。

全く教授も教授だよ、課題図書が届いたからって、わざわざ休講中に呼び出さなくてもいいのに・・・・・・アレぐらいの本なら丸善でお届け一発なんだけどなぁ。どうして顔がみたいなんて言い出すかなぁ?
それよりなんで気付くと5時半だったんだろ?そっちのほうが疑問・・・・・・・?
このさい些細なことはいいや。ちょっと寝よ・・・・・・

あっさりと睡魔に白旗を揚げる私。いつもなら“遅刻”の2文字が、私を10分と経たないうちに着くはずの駅でぴたりと私を起こしてくれる。

ハズだった・・・・・・

「次は立川北、立川北。中央線・・・・」

機械的なアナウンスの音が私の鼓膜を揺する。いつもとは微妙に違うアナウンスが。
「北ならまだ間に合う。」
そう気付いて降り慣れた扉へと無意識のうちに足を向け、半ば前のめりの格好で進む。
(前なんか見なくても、この時間誰も乗ってないもんね。)

しかし悲劇待っていた。

ごんぺちがちゃっどさぺったん!あぅぅ・・・

目の前で何かがはじけ、一瞬何がなんだかわからなくなる。

ちなみ、それぞれ何かといえば・・・
ごん  前頭部がぶつかった音。
ぺち  さして高くもない鼻がぶつかってつぶれた音。
がちゃ 鼻に続いて今度は眼鏡がぶつかった音。
どさっ 手にしていた荷物を思わず落としてしまいました。
ぺったん 尻もちついたんです。
あぅぅ 言わずもがな私の呻きです。

「お客さん大丈夫ですか?」
しまった誰かに見られた!そう気付いた時にはもう手遅れ。無情にも扉は閉まり、その扉を前に私は完全にしりもち状態。
恥ずかしくてまともに動けなくなること数秒。
「すみません大丈夫です。今立ちますね。」
どうやら駅員らしいが、まともに顔を合わせる気にはなれない。
「あ、あの・・・大丈夫ですか?」
やたらと心配そうに声をかけてくる駅員。そんなに私重症なのだろうか?もしやどこぞから出血?

しかし、混乱する私に追い討ちをかけるアナウンスが流れる。
「次は立川南、立川南です。」

「?!」
事態が理解できないのは当然のこと。だって、南行きに乗っていれば“南の次は北”であって“北の次は南”のはずはない。北駅の次は高砂という駅だったはず。
(なんで?どうして南なの?)
どうしてそうなったのか釈然としなくても取りあえず列車から降りた。
駅員に付き添われるように、いつもとは反対の扉から・・・・・・

そして、降り立ったホームはなぜか、いつもならの帰宅時に乗り込むはずの北行き列車のホームだった。
「!!!」
そこでようやく一つの結論にたどり着く。
「私は寝過ごした挙句、折り返して来たらしい・・・・・・」

つまりこうだ、私は南行きに乗って、ひとつ乗り過ごした北駅に着いたと思い込み、いつも通り2両目1AB扉から降りようとした。
しかし私の乗っていたのは、終点まで行って折り返してきた北行き電車だった。
よって開く扉は南行きと正反対の1CD扉。
なぜ私が扉にぶつかったのかといえば・・・・・・
降りようとする前に扉が閉まったのではなく、元から開くはずのない扉に突進していったというわけ。

そりゃ駅員もびっくりするよね。開いてもいない扉にやおら突進かますんだもん。
そしてあのリアクションじゃぁね。怪我とかじゃないところまで心配されてたような気もするし。
そんなわけで人間寝るのが一番です。


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