Water Summer
『水夏』のPS移植版です。
去年の夏はこんなことになるとはあんまり予想してなかったんですが・・・・・・
という事で、PC版とPS版の違いなんかも交えつつ解説していきたいと思います。
ちなみに各章のタイトルは如月の主観によって勝手につけたものなので公式なものではありません。

!!注意!!
下のほうに
ネタバレ解説ネタバレし過ぎの超主観的感想を掲載してますのでご注意あれ。

各章選択肢チャート
一番理想的な選択肢を表示しておきます。これを通ればCGは全部埋まるはずです。
シナリオを埋めるには逆の選択肢も選んでください。

第1章第2章第3章第4章

プロローグ

7月7日
追いかけて確かめてみる。【名無しの好感度+1】

第1章

20日
もういく。
21日
神社に寄ってみる。
22日
追いかけてみる。
22日
拾う【パソコン版では、2章のCG&イベントの条件になります】
25日
取り敢えず、色々と探してみる。
28日
のぞいてみる/関わらないほうがいいかな【2章でイベントが変化します】
名前を聞いてなかった【2章でバットエンドへの選択肢が発生します。】

エンディングは一つ、PC版と全く同様です。CGが何枚か追加、変更になってます。

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第2章

7月20日

まぁ減る者でもないか
ちょっと悪戯してみる
22日 (4章をクリアーしていれば):先輩!? ⇒ さやかシナリオへ / 希望に応える・・・ ⇒
美絵シナリオ

さやかシナリオ
7月23日
少年達を止める。
25日
いります?【4章のイベントでCG追加】
26日
先輩【他は全て一緒】
【パソコン版only
もう一度キスする。
もう、どうにでもなれ】
27日
読む【1章で「拾う」を選んでいると発生。パソコン版ではイベント&CG追加】
28日
蒼司くんの家にかける ⇒ Goodへ / 自宅にかける ⇒ Badへ 【1章で「名前を聞いてなかった」を選んでいると発生】

美絵シナリオ
7月24日
年下でもいいと思うよ
25日
いります?【4章のイベントでCG追加】
美絵ちゃん ⇒美絵エンディング確定。以降選択肢なし
ここで、「さやか先輩」を選び、26日に「さやか先輩の絵を描く」を選ぶとさやかエンディング「美絵ちゃんの絵を描く」を選ぶと美絵エンディングへ

さやかシナリオはPC版と変りません。さやかの追加CGが美絵シナリオに一枚食い込んでいます
美絵シナリオのさやかエンディングはさやかシナリオと異なりますが、CGはありません。

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第3章

7月22日
茜を求める ⇒ Badへ / 茜を求めない ⇒ Goodへ

大きな変更はありません。CGが何枚か追加、変更になってます。

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第4章

名無しサイド(この逆を行けば“ちとせサイド”になります)
7月15日
ティッシュで拭いてやる
布団の上に載せてやる
16日
自分でやる
17日
交換してやるよ
自分の額を額につける
18日
やってみる
悪戯はやめておく
19日
成長を見守る
21日
しかし、お嬢はどこに・・・
食堂
22日
もう夜中だしな
24日
つき合わない
26日
そんな事、ない 【注)「・・・・・・。」を選ぶとバットエンド“鬼籍”に】
27日
これでいいのだ。
野球・麻雀・サッカー全て一緒(シナリオは違います)
海岸線をひたすら歩く
28日
お嬢の元にいる
29日
叫びそうに〜・ナイスミドル〜・お役所仕事〜どれでも一緒(シナリオは違います)
やる・やらない【4章を1度クリアーしていると発生。パソコン版ではミニゲームが出来ます。攻略に影響なし。】
30日
真面目に答える
【パソコン版:お嬢を望んでいる】
31日
【パソコン版では、好感度により以下の選択肢はスキップ有。】
“それでもお嬢のことが好きだ”を選んだ時。
〔2,3章共にグットで、名無し好感度8以上〕⇒夏祭り(名無しトゥルー・4章クリアー条件)
〔2,3章どちらかバットで、名無し好感度7以下〕⇒学生服の少女(名無しグット)
〔ちとせ・名無し好感度共に5以下〕⇒鬼籍(バット)
“ちとせのために手をとる”を選んだ時。
〔ちとせ好感度が名無し好感度以上かつ8以下〕⇒お土産(ちとせグット)
〔ちとせ・名無し好感度共に5以下〕⇒鬼籍(バット)
ちなみに、“夏祭り”と“お土産”を見ればCGは埋まります。シナリオを埋めたい方は他の2つもどうぞ。
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ネタバレ解説 第1章第2章第3章第4章
第1章 水瀬伊月・小夜
テーマは“過去の死と死の不可逆性”です。
水夏の入り口にして読む人間にこのゲーム全体の流れを提示してます。
このゲームは必ずなんらかの対立する関係が存在することを。ここでは現在と過去であり、全く違う性格の双子であったり、或いは生きるということと死ぬということです。特にこの章は過去と現在の絡みが重要な要素になってくるんですね。過去にあった死を人はどう乗り越えるのか?どう向き合っていくのか?結局過去に縛られた彼女は消えてしまって、魂を本来の持ち主である小夜に返してしまうことになりますが。小夜の中にはしっかりと伊月が生きているんだという風に締めくくってます。
現在の話と過去回想が交互に入ってくるんで、この手のゲームをやったことのない方には結構読み難いシナリオじゃないかなぁと思います。オチもアレですし。実際この1章とヒロイン伊月は人気が無いんですよね・・・
結局本編では語られませんが、現在の時点で彰が逢っていた伊月は生霊ではなく自縛霊のようなものです。その辺は「水夏ビジュアルファンブック」に入ってるドラマCDを聴けばわかります。伊月はしきりに「私は幽霊」って言ってますから。ついでに「人気はサブヒロイン以下」とも言ってますね。
そして後日談となりますが、眠り姫小夜の面倒はなぜかさやかパパである白河律が見ていたことになっています。そんでもって目覚めたあとは、どうしてだか白河画廊でさやかと一緒に暮らすことになるそうな・・・・・・その辺も「水夏〜」をご覧下さい。何気なくさらりと書いてあります。
あの家で暮らす限りまず退屈はしないよね。

なお、シナリオや選択肢に大きな変更はありません。29日にHするようですし。ただその描写が1行で終わってCGが無いだけで。あと、伊月がいじめられてるシーンのCGも多少書き直されています。なぜかPS(SEC)は極端にああいうシーンを嫌うんだよね。それと現在編の小夜がバストアップからCGに変更になっています。

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第2章 白河さやか・若林美絵
テーマは“直面する死”です。
移植されるにあたって大きく変更されたのがこの第2章です。さやかだけを追いかけていれば全く気付きませんが、22日の選択肢一つで世界は一変します。
てっきり美絵シナリオはオマケ止まりかと思いきや、この娘もやっぱりフォローされました。しかも、ある意味さやかシナリオを補完する形で。まず蒼司くんの過去が大きくフォローされています。「何で白河画廊に入ったか」とか、「なぜ絵を書くようになったのか」とかね。また、白河親子とは全く違う形の“死の迎え方”というのが美絵シナリオで提示されてもいます。あくまでも同じテーマの中で全く違う前提を対提示しているのが美絵シナリオだと思います。そして水夏全体の世界観から浮き出すことなく構成されているところを見ると、恐らく既に用意されていた答えなんじゃないかなと思います。

さやかシナリオの見所はやっぱりさやかの壊れっぷりですね。随所に挟み込まれる名言の数々がつぼにはまります。一番は“燃えろ〜燃えろ〜”ですね。蒼司君の尻にひかれっぱなしっていうのもほほえましいのですが。このシナリオは二人の絶妙に歯がゆい掛け合いが楽しくなってくると面白く読めるようになります。でもラストは唖然としますよねやっぱり。
美絵シナリオは、美絵の暴走振りもさることながら、さやかの焼きもち振りとか、成り行きで和解してしまう白河親子の奇妙な会話が笑えます。あと、Dr.若林のいい人ぶりが笑えます。このシナリオみてから3章に行くと、鏡太郎は別人です。何であんな環境で鏡太郎はあんな人間になっちまうんだ?つまり、難をいえば鏡太郎と、あと千夏が本来より大きく変わってしまったところでしょうか。なんだか美絵シナリオでの千夏は華子と千夏を足して2で割ったような感じになっています。どうしても書き足しに見えてしまうのは仕方がないことですね。

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第3章 京谷透子・柾木茜
テーマは“愛情の狭間・選ぶべき存在”です。
一番読み飛ばしてしまいがち(選択肢一つなので)なのに、かなり深い内容にはなっています。ただ、1章同様話が前後していきますから、混乱すること請け合い。2度3度と読み直してやっと意味がつながります。それからWaterSummerのドラマCDを聴くと一層理解も出来ます。そして今まで聴いたこともないような設定が簡単に明かされてるんですけどね。それは聞いてみてのお楽しみってところです。

内容としては、主人公良和を妄信的に愛してしまう透子と、血の繋がらない兄への恋心を捨てきれない茜の一騎打ちに見えます。しかしその裏に若林君が暗躍してしまうんですね。彼は透子一筋で、良和のことをよく思っていません。そこで、茜の行方不明・自殺(結局は未遂)を発端とした透子による良和囲い込み作戦の片棒担ぐ振りして動き出します。しかし最終的にBadがそうであるとは限らないような感じになってしまうんですね。ここが論議の別れどころになります。果たしてどっちがGood?
PS版ではわかりやすいように透子EndのCGが変更されています。アレを見ると茜EndがBadなのかなぁという気にはなりますね。変更点はそんなところでしょうか。

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第4章 名無しの少女・稲葉ちとせ
テーマは1〜3章を統合したものだと思ってください。
結局“過去の死”も“直面する死”も“選ぶべき存在”のこの章に反映されていくということです。何かというとキャラが濃いので取り上げられる4章ですが、いろんなテーマを内包した上「アルキメデス〜/水夏0章」への序章にもなっていますから、内容的には結構濃いんです。前半戦のほのぼのさに騙されてはいけません。でもちとせに声が付くと破壊力が増すことだけは痛感したわけです。名無しとの絡みは聴いてて楽しく悶えられます。惜しむらくは水夏ナンバーワン男性キャラアルキメデス様に声をつけてほしかったこと。あの渋い台詞の数々をぜひ聴きたかった。
PS版への変更点は、CGに多少変更がありました。それと29日のゲームが出来ないらしい。
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ネタバレ超主観的解説
一応一通りCGを埋めたわけですが、細かいところを確認し終わってないので、もし違うところとかあったらメールなどでそっとご指摘願います。如月結構大雑把な人間なんで。
という事で、この解説は昨年夏のPC版水夏を中心にして書きます。
結局この作品は業界に伝わるジンクス“オムニはウケない”を打ち破ったとされていますが、水夏はオムニじゃないと私は思っております。確かに4章という形をとり、主人公もヒロインも違うわけですが、“死と生”という絶対のテーマの上に全ての章が見事に乗っかりきっていて、それぞれが独立しているとは限らないという部分で、水夏はオムニじゃないと感じるわけです。それは追加された美絵にもいえます。ただ多少スタンスが違うような気がするといえば、既にあるさやかという結果に対抗する形になっているような印象を受けてしまうからでしょう。恐らく全くの前提がない状態で2章を進めればそんな事ないのでしょうが。只今私の友人にDC版水夏を渡して実験中なんで、それが返ってきてからもうひと思案かなといった状況です。

それと思うのは、コンシューマではノベルゲーが圧倒的不人気な状況(相変わらず、ゲーム性を主体的に問う保守な奴等が蔓延ってんだな)なので、あんまり雑誌に載ったりしないあたりが寂しいですね。 一つのメディア形態としてこういうゲームを受け入れてもいい時期になっていると私は思うんですけど。どうにもやつらは文章を読むなんて習慣を持ち合わせていないらしい。文章から得る刺激とその発展性こそ、まともな人間情緒発達に役に立つと私は思うのです。余りにも単発的な刺激にあの世界は馴らされ過ぎているように見えて仕方ありません。せめてゲームの中ぐらい文章に親しもうとしようよ。むしろその方がいいよ。だった君ら文章読まないでしょ。私の書くような駄文はともかくとして、もうちょっと読んだ方がいいよ活字。あんまり誉められた形態じゃないのかもしれないけどさ、ゲームなんて。それでも読んでた方がマシだってきっと。
私何教育談義かましてんだこんなところで・・・?
ただ、ゲームの中でこれほど“死”というものを正面から捉えようとすることはないと思うんで、(恐らく一般発売されたゲームの中じゃないでしょう)もしまだ水夏をやってないのにこれを読んでしまったという不思議な人はぜひやってほしいな。自分達が幼いころに想った“死への観念”ってものが再認識できる機会だし、それ以上の世界を切り開くきっかけになりうると思うんだ。

まぁそんな想像力逞しい人がどれ位いるかは疑問になりつつある今日この頃の日本なんですけどね。

以上で一応“水夏”&“WaterSummer”おしまい。


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